サ-クル「杖の舞」という杖の愛好会を発足してから約10年になります。杖自体は若い頃より合気道の道場で真夏の暑い日に稽古しており、当初はそれ程熱心に打ち込んでおりませんでした。今から十年程前に合気道の古い映像の中で大先生が杖の「神楽舞」を神前で舞っておられました。この時の開祖は約80歳位のお年だったと思いますがそのお姿は優雅で柔らかく流れるような杖の捌きは変幻自在、千変万化。その体捌きは杖と体が一体となりまさしく神と合体(神人一体)まるで百花繚乱のお花畑を舞う蝶のように見えました。思わず探し求めていたものは「これだ」と直感致しました。それからというものは毎朝6時から8時頃までお城公園で一人でけいこをしておりました。あさ、お城の中を散歩する人がいて、呆けた老人が棒を振り回しとるから危険だから近寄らない方がいい等という人もいれば興味を持ち教えてほしいという方も増えて当初12名程の会員さんがおりました。
やがて公園の駐車場が禁止となり、別の公園に移りましたが人が多くてイメ-ジが湧かず1年程前から週に一度気持ちを集中して行おうということで、津市の敬和公民館にて毎週火曜日の夜6:00~8:00まで稽古するようになりました。
ここでは杖だけではなく剣や小太刀、体術の色々な技の研究等を中心に中身の濃い時間を過ごしております。
杖の場合3つの基本コンセプトに基づいて稽古しております。
① 形稽古
大先生ののこされた31の杖の追求
31の杖逆方向から 31の八方捌き 31の杖短棒遣い 31の杖の剣形に応用 31の杖3拍子(3呼吸)1拍子(1呼吸) 息吹の杖形 階悌の杖形 二畳杖(四畳半の杖)等
➁ 乱取り杖
試合形式ではないが約束稽古でもなく、お互い息を合わせて杖の攻防を行う(阿吽の杖)
➂ 自由杖
自分自身で思いのまま自由自在杖を振る。打ち、突き、払い四方へ好きなように動き回る。やがて舞のようになれば理想だと思いながら淡々と行う。
剣の場合
色々な流派の剣の形、合気剣法等を参考にしながら稽古してきましたが、どの形を行っても中々しっくりと自分の身体に合いません。ある日ふと気付きました。昔の武士は形を行う前に徹底的に行っていたもの、それは素振りであると。剣の場合は打つというより斬るという部分、つまりどの方向から振っても刃筋が立つかというと唯一正面や横面の斬り落としの時のみで下段からの斬り上げでは全然刃筋が立たず、やはり基本の前の基本である素振りが色々な角度から斬りあげ斬り下げ、水平斬り等を前後左右、四方八方行う事、又、それを撞木の足遣いで行えるようになって初めて形の稽古に生かす事に気付きました。
素振り法
正面、横面、逆横面、水平、斬り下げ、斬り上げ、右袈裟斬り、体の転換、連続四方八方斬りを撞木足にて行う。これらを四方八方行う 一軸二軸進退法と撞木 31の剣形 階悌の剣形 自由剣―50人斬り、100人斬り等